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行き場がなくて上を見上げた 空の色はもう青だった

   

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07




翌日。
学校に向かう友達と共に家を出て、仙台駅へ。

実はまだどこに行くか決めかねていたので、
駅構内にある観光案内へ行くことにしたのです。



+++




松島を勧められ、
せっかくだから行こうかな、と思いながら観光案内所を出ると、
「ボランティアインフォメーション」というスペースが目に入った。

覗くと、ホワイトボードに貼り付けられているのは
宮城県内の様々なボランティア募集要項。

ああ、駅でもこういうのがあるんだな、と思いながら眺めていると、
そこのスタッフさんに声をかけられた。


「ボランティアに興味あるんですか?」


おぉ、話かけられてしまった。
なんて思いながら、えぇ、まあ…と答える。


「二日間、岩手の方でボランティアしてきたんです」



ボランティアって、本当にびっくりするようなところで人を繋ぐんだよね。

ここでも、この一言をきっかけに、いろいろとお話をすることができた。



横浜の大学生だということを伝えると、すごく驚き、そして喜んでくれた。
関東の学生さんが興味を持って来てくれるだけで嬉しい、と。



意外と、学生で実際にボランティアに来る人は多くないらしい。

そうだろうな、と思う。
自分の周りを考えてもそうだから。

結局今回も実際に行ったのは4人。
行きたくてもスケジュールの関係で行けなかった人もいるだろうけど、
やっぱり本当に行くとなると一歩踏み出せない人も多いんじゃないだろうか。
それは金銭面であったり、恐怖心であったり、
もちろんボランティアよりも自分自身の毎日を優先させたい人もいるだろうし
興味がない、なんていう人も当然いるだろう。


それを責めることなんて出来ないし、
ボランティアはしたい人がすればいい、というものであるとは
自分がやって思ったことでもある。
強制なんてされながら出来るほど、甘いものじゃない。

だけど、それはやっぱり寂しいことらしい。
だからこうしてボランティア情報を公開して、
少しでも興味ある人の背中を押すことが出来たらと思っているのだと。
その、同じ大学生のスタッフさんは言っていた。



「ボランティアインフォ」というその団体(NPOの申請中らしい)は
ボラセンとはまた別に、
ボランティアを望む人と、ボランティアをしたいという人を
繋ぐ仕事をしているという。

ボランティアセンターを運営している「社会福祉協議会(通称、社協)」は
行政管轄だから、どうしてもウマの合わない団体が出てきてしまうらしい。

だから、実際に被災地に行ってボランティアニーズを調べ、
それを公開してボランティア募集をかける、という作業を主にやっているのだと。
関東の学生と一緒にやる企画もあるのだと。
教えてくださった。



実際に被災地でボランティア作業をするだけでなくて、
こういう形もあるんだな、と新しい発見だった。



本当に、ボランティアって、いろんなところに隠れているのかもしれない。

少なくともこの東北では、たくさんのきっかけが落ちている。
もちろん全ての人が関心を持ち、行動に移すわけではない。
落ちているきっかけを拾うかどうかは人によるのだけど。

……関東では、どうだろう。






興味があったらぜひ参加してね、と言われた今回のニーズ調査には
日程的にも金銭的にも参加は難しそうだけれど、
お話をしたスタッフさんは素敵な人だったし、
活動もとても気になる団体だから、
機会があれば何か一緒にやることができたらいいなあと思う。


本当に素敵な出会いだった。











仙石線に揺られて約40分。
松島に着き、まず向かったのはやっぱり観光案内みたいなところ。

そこで地図のようなものをもらい、
観光スポットを教えてもらう中で。


「この展望台から眺めるとね、遠くまで見えるんだけど
ここは松島に守られたから酷くはなかったんだけど、
その先の東松島や南三陸なんかは津波で壊滅的で、
もうまっさらになっちゃった様子なんかも見えると思いますよ」



私は結局その展望台には行けなかったのだけど、
見ていたらどんな気持ちになっただろう、と思う。





松島観光は普通に楽しんだ。
基本的に、震災の影もなく、明るく賑わっていて。

だけどたまに、店先に「ここまで浸水しました」という貼り紙があって。

ハッとさせられる瞬間があった。



綺麗な、日本三景の一つである、本当に素敵な景色が、
街を守り、人を守り、そしてその風景自体も失われなかったことを
心から嬉しく思った。









仙台に戻り、駅前から勾当台公園の方まで散歩?をし。
震災の影もなく綺麗で都会な街に幸せになりながらのんびりし、
ああ、好きだなこの街。
そう思いながら駅の地下のお土産売り場に行って。


「がんばろう、東北。がんばるぞ、石巻!」


石巻の物産売り場の前を通って。
掲げられたこの言葉を見た瞬間、無性に泣きたくなった。
前日に見た光景がよみがえって。



「がんばるぞ」


その一言の持つ強さを、これほど感じることはなかなかないだろう。


そのことに気づけたこと、
泣きそうになったその心を、

忘れないようにしようと、強く思った。





+++





最後に、まとめます。

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授業外有志活動・東北ボランティア企画の記録ブログ。

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